新型コロナ感染症の第5波は収束の様相を呈し飲み薬など少しずつ灯りも見えてきましたが、インフルエンザも流行する季節となりました。コロナ対策としての換気を冬場に行うと、室温の低下と乾燥が気になるところです。以下ポイントをまとめましたので、参考にしていただければ幸いです。感染予防を徹底して2021年を乗り切りましょう。

冬は建物の中でも湿度が低く乾燥します。暖房によりさらに乾燥する傾向にあります。
冬の平均湿度は約30%前後ですが、インフルエンザウイルスの生存率についての報告では、温度22℃、湿度20%では60%以上が生存しているという報告があります。
さらに空気が乾燥した状態ですと、ウイルスはホコリなどと共に舞い上がり、人に感染しやすくなりますが、加湿し湿度が高い状態だと、ウイルスは浮遊することができず活性も低下します。
インフルエンザウイルスは湿度の高い環境に弱く、21℃の室内で湿度65%の状態を16時間保てば、99%ウイルスの増殖力や感染力が定価するという研究結果も出ています。また、インフルエンザウイルスは低温を好むため、湿度を保っていても室温が低いと、ウイルスの生存率が高まってしまいます。一般の風邪ウイルスも低温乾燥状態を好むものが多く、湿度60%前後の環境では、ウイルスは増殖できず、数時間で不活性化していきます。
そのため室内の温度は20~25℃、湿度は50~60%程度に保つように心がけましょう。ただし加湿のしすぎはカビの発生につながるため、高湿度になりすぎないように注意してください。室内に濡れタオルを干しておくことでも乾燥を防ぐことができます。窓を閉め切った部屋では空気が循環されず、空気感染のリスクを高めてしまいます。コロナ対策と同様に1、2時間に1度を目安に、部屋の空気を入れ替えるようにしてください。
加湿には、さらにもう一つ良い点があります。
人間の気管支や粘膜には絨毛という細かい毛があり、付着した異物を体の外に排出する絨毛運動という働きをしています。
絨毛運動が活発に行われていれば、喉の粘膜についたウイルスも、体外に排出されやすくなりますが、湿度が低くなり、乾燥が進むと、粘液量が低下、絨毛運動も低下し、喉や鼻の粘膜が弱くなることで感染が起こりやすくなります。そのため加湿することで呼吸器粘膜が乾燥しにくくなり、ウイルスに感染しにくくなります。
このように冬場の室温・湿度の管理は感染予防にとても重要ですが、手洗い・うがい、マスクなどの基本的な感染対策と十分な休養・栄養を心がけて、新型コロナやインフルエンザに負けないようにしましょう。

 

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